トーシロ囲碁戦記 日本・中国ルールの覚え方[初心者]

囲碁のルールに、簡単な覚え方があればいいのですが・・・、教えてくれと言われても、初心者さんに教えるのは、なかなかに難しい。日本ルールよりも中国ルールの方が囲碁は敷居が低い。日本と中国ルールの違いと中国式の数え方を解説します。

◆Igo 囲碁のルールについて

囲碁のルールは世界で「ほぼ統一」されています。 将棋のように、国によってルールが違ったり、 麻雀のように、ローカル・ルール(地方ルール)だらけといったことはありません。 碁を打つ場合、日本ルールだけ覚えておけば事足ります。中国ルールで説明(入門者・初心者さん用)  碁を覚える場合、日本方式よりも中国方式のほうがルールが覚えやすいです。  コスミの純碁アプリを使うのも手。 ※有段者においても、中国ルールやチベット碁のルールを知っている人は恐らく少ない。  碁会所やネット碁で、中国ルール採用なんてのは、日本ではまずありません。  日本で中国ルール採用は、囲碁クエストくらいのものです。 ※中国ルール採用は囲碁クエストくらい。  チベット碁に至っては、聞いたことがない。 ※ちなみに、囲碁は中国発祥のゲーム。  日本ルールの地合い計算等は、中国の数え方を簡略化したものです。  数え方を簡略化したことにより、日本と中国のルールでは違いが生じています。

◆Igo 囲碁のルール一覧表

日本と中国における囲碁のルールは、陣地の数え方やコミを除きほぼ同じです。 1.終局について 対局(対戦)終了のこと、打つ所がなくなったとき等(双方パス)に終局。 このほか投了、オンライン囲碁においては、強制試合計算による終局もある。 2.着手する場所 黒を先手とし、黒白交互に打つゲームで、碁盤上の線と線の交点に着手する。 相手の石の上や着手禁止地点に打つことはできない。 ※互先や定先では、黒が先手(ただし置き碁の場合は白先) 3.相手の石を取れる 呼吸点のない石は盤上に存在することができない(囲んだ石は取れる) 相手の石の呼吸点を潰すことで、盤上から石を取ることができる。 日本ルールの場合、取った石はアゲハマとなる(中国ルールでは無関係) 中国ルールは、死に石を数えない。 4.コウはすぐに取り返せない コウになった場合、すぐに取り返すことはできない。 有効なコウ立てを打つか、相手がコウを解消しなかった場合に取り返すことができる。 ※自殺手のほか、コウによる着手制限がある。 5.死に石と活き石 盤上で取られる見込みのない石を活き石、それ以外の石を死に石という。 ※終局後の整地では、盤上に相手の死に石がある場合、アゲハマとする(日本ルール) 6.地(陣地)について 生き石で囲んだ碁盤の交点部分を目といい、目以外の部分を駄目という。 日本ルールの場合、アゲハマで、相手の地を埋め、陣地の大きさを競う。 また、先手が有利であるため6目半のコミがある。 ※中国ルールでは、生き石と囲んだ碁盤の交点部分が目となり、  駄目になる部分はなく、アゲハマも勝敗に無関係、コミは7目半。  日本ルール、中国ルールのどちらも整地を行うが、やり方は大分違う。 7.そのほかのルールについて 持碁、置き碁、無勝負(3コウ等により生じる可能性がある)、 一度勝敗が決した場合、その勝敗を覆すことはできない(一時不再理)、 勝敗に対し異議がある場合は、対局の再現をする等といったルールがある。 ※変則ルールのほか、国や時代によってルールが違ったりもする(コミが5目半のほか、ない時代もあった)  純碁ルールやスーパーコウルールのほか、自殺手が認められるルールもある。  スーパーコウルールは、3コウの無勝負の防止などに効果を発揮するが・・・、  打つところが残ってる(コウ残り)なのに、双方パスとなった時、理不尽が発生する。 ※囲碁は19路盤が基本ですが、13路盤や9路盤、  小さいもので5路盤、6路盤・・・、大きいものでは21路盤まであります。  碁盤の大きさによって、コミが6目半以外になるケースが存在。  それ以外のルールについては、どれも同じです。 ルールとしての完成度 囲碁のルールとしての完成度においては、中国ルールに軍配が挙がると思います。 囲碁のルーツは中国にありますので、まあ、これは当然ですね。 中国ルールの場合、隅の曲り四目無条件死が手を入れずに何故OKなのか? といった問題が生じません(日本ルールに比べれば) 中国ルールでは、自陣に手を入れても、敵陣に無駄な打ち込みをしても、陣地が変わりませんからね。 中国ルールはぬるいのか? ヨセでダメが詰まったとき、少しでも危ない可能性があった場合、日本ルールだと地合いが気になります。 しかし、中国ルールは自陣に手を入れても損にならない・・・、 日本ルールの場合、自陣に手を入れたことにより半目差で勝負がひっくり返っていたが、 中国ルールだったため、勝敗は変わらなかった。 このような、理不尽なことが生じる可能性があります(日本ルールから見た場合) この辺は、ほんと誤差みたいな話ですが、 逆に中国ルールだから難しくなるケースもあるでしょうし、どっちがぬるい等とは言い難いです。

◆Igo 日本ルールと中国ルールの違い

一番わかりやすく違いを説明すると、中国ルールでは盤上 偶数目の差は生じません。(セキがない場合) ※日本ルールでは、盤上5目差、6目差、7目差など、細かいですが・・・、  中国ルールの場合、盤上5目差、7目差はありますが、どう頑張っても盤上6目差で終わらせることは出来ません。  ただし、セキや駄目を詰めきる前での終局の場合を除く。
日本ルールと中国ルール(盤面差)
取らず三目
日本ルール※持碁だが…白3目勝ち白8目勝ち白2目勝ち※白1目勝ち
中国ルール持碁白3目勝ち白9目勝ち白3目勝ち※黒1目勝ち
取らず3目の違い詳しくは左記のページで・・・ 日本ルールと中国ルールの陣地計算 日本ルールは、自分の囲っている交点部分とアゲハマが陣地に影響しますが・・・、 中国ルールでは、盤上の自分の石と囲っている交点部分が陣地となり、 死んだ石やアゲハマは陣地計算に含めない。 日本のルールだけに慣れていると、中国ルールの数え方が意味不明。 数えるのも時間がかかりそうだし、日本ルールのほうが優れている。 このように感じてしまうかもしれません。 ※実際、19路だと数えるのが大変なので、目算は日本形式の法が良いと思います。  9路や13路の場合には、中国ルールの方が数えやすい気がする(黒白の片方だけ数えればいい) ※このほか、日本ルールか中国ルールか否かで、勝敗が変わることがあります。  井山名人、中国ルールに泣く。  http://style.nikkei.com/article/DGXMZO82827170V00C15A2000000  日本ルールだったら半目勝ちだったが、中国ルールのため半目負けに・・・  ちなみに、これはコミが6目半か7目半という差により生じたものではありません。  勝敗の原因は、セキの計算方法にあります。
セキと日本ルール・中国ルール(陣地数)
セキ>>
日本ルール持碁(黒0目・白0目)持碁(黒0目・白0目)
中国ルール持碁(黒22目・白22目)白2目勝(黒22目・白24目)
駄目(双方+2.5目)駄目(双方+1.5)
※コミの違いのほか、自陣の手入れによる陣地の損失がないこと、  このほか、セキの数え方、ダメ詰めの手止まりをどちらが打てるかなど・・・、  日本のルールと中国のルールは同じようでいて、同じではありません。
◆Igo 日本ルールと中国ルールで陣地を計算
実際に陣地計算をしてみないと、双方のルール差がわかり難いです。
盤面(9路盤)黒地白地備考
日本ルール黒盤面18目白盤面4目黒が盤面14目勝ち このほかコミ6目半
中国ルール黒盤面32目白盤面49目白が盤面17目勝ち このほかコミ7目半
※日本式ルールは、自分が囲っている交点部分の地を数えますが、  中国式ルールでは、自分の石と囲っている交点を地として数えます。  日本ルールにおいては、アゲハマがあるため・・・、  例外はありますが、「基本的に」地合い計算の結果は同じになります。  しかしながら、自陣に無駄な手入れをしてしまったり、  相手陣に無駄な打ち込みをしてしまったりしたケースでは、  日本ルールと中国ルールの地合い計算の結果が確実に変わってきます。 中国ルールは盤上陣地の大きさのみで判断可能 中国式のように、単純な陣地の大きさで勝負が決まるならわかりやすいのですが・・・、 初心者や入門者同士の対局となると、どうしても意味のない手が出てきてしまいます。 このため、日本ルールは中国ルールに比べ理解するのが大変です。 ※中国ルールの場合、オセロと同じ感覚で形勢判断(陣地の大きさ)を判断できます。
◆Igo 日本式囲碁ルールの悪影響
囲碁が難しい、わかりにくいという原因の1つとなっている日本ルール・・・、 中国ルールに比べ理解しがたく、新規参入の障壁となっています。 利権とかじゃありませんが、ライバルを増やさないために新規参入を抑制する。 そんな感じに働いてしまっています。 ただでさえ囲碁が衰退しているのに・・・、 入門者・初心者にとっての参入障壁 囲碁における新規参入、最大障壁の陣地の理解とか、 中国ルールだったら物凄く簡単に説明できるんですよ・・・、 コンピューターと地合い計算 囲碁のプログラムを組む際には、日本ルールよりも圧倒的に中国ルールに分があります。 日本式のルールでプログラムを組むと、地合い計算のプログラムに穴が出来やすいです。 市販されている1万円程度の囲碁ソフトを幾つか持っていますが、 完全に日本式の地合い計算できるというソフトには会ったことがありません。 オンライン囲碁の自動地合い計算も、間違った結果が出ることがままあります。 TOPに戻る:囲碁のルールと初心者 中国ルールで簡単に解説、日本ルールは難しい。
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